つい先日のこと…。スプリットバンブーロッドを(それも安価に)手に入れることができまして…。
あ! 見覚えのあるデカール文字が…。
"Ebisu"
これは我が家にある
謎のフライロッドと同じ文字です。エビスフィッシング製…ではなく、Ebisuという名のスピニングロッドのようです。スピニングロッドにしては全長は10フィートもあって、まるでフライロッドのようなパラボリックアクションです…。
戦後1950年代の日本では、木工家具職人などが輸出用のバンブーロッドを作っていたそうです。そんな中のひとつだったのかもしれませんね。
せっかく手に入れたものだから、このロッドに組み合わせるリールも欲しくなります。ロッドは日本製であるわけだから…できれば日本製で…。ダイワやオリムピックのオールドでいうと…ドラムであるとか、横転式とか…う〜ん、これらはEbisuロッドより少し新しい年代なんじゃないのかな…?
あ! ダイレクトリールはどうだろう。これぞメイドインジャパン!なイメージのやつ…。…と、いろいろ考えて…決めたのがコレ
クロシオリール No.54 (KUROSIO No.54)
静岡県沼津市の東洋精機というメーカーが1950年代から製造していたもので(←年代はバッチリ)4タイプ x 2 の全8機種。 No.50、No.52、No.54、No.55の型があり、それぞれにスプール幅のワイドとナローが設定されていました。その他に70-Dというモデルもあったとのこと…。(今はどれも廃盤になっています)
そ〜いえば昔、沼津の釣具屋にはフツーに置いてあったし、沼津の地元ダンゴ釣りのオッチャンたちも、みんな使っていたのを憶えています。
基本的な構造はダイレクト両軸リールで、アンチリバースON/OFF、クリックON/OFF機能が備わっています。各モデルはサイズの他に少しずつ仕様が異なります。
No.50 = ギア比1:1
シングルアクション(ハンドルとスプールが同方向に回転するフライリールと同じ)
No.52 = ギア比2:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが逆方向に回転する、いわゆるフツーの両軸)
No.54 = ギア比3:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが同方向に回転)
No.55 = ギア比3:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが同方向に回転)
…で、ぼくが選んだのはNo.54(ワイドスプール)。
スリーズ中、最速のギア比を誇るモデルです。(…ていっても 3 : 1 だけどw)No.54はハンドルの巻きとスプールが同じ方向に回転する、日本製では珍しいタイプで、大物用フライリールに採用されるマルチプライング構造です。なので使い勝手はフライリールのそれと同じ。
思ったとおり同年代のロッドとの(見た目の)マッチングはすごく良いです!ぼくはリールを下向き、左手巻きで使うことにしました。本来右手巻きのリールで、アンチリバースストッパーも右手巻き用なのですが、ストッパーを使うことは無いので、左手巻きのダイレクトリールとしてセットしました。
じつは、このセッティングにはワケがあって…
はい!恒例のキャスティング動画です!本来このリールはキャスティング用ではないのですが…投げてみました。かなり本気で…w
シンカーは4号(15g)のナスオモリ。だいたい1/2ozですね。パラボリックなロングロッドのおかげで、思っていたほどキャストは難しくはないです。動画は初めての試投なので動作がぎこちないのは否めませんが…w
キャスト時のハンドルの不安定な逆転がおわかりになるでしょうか。微妙なサミングテンションがハンドル回転にでています。動画は太いPEラインを使っていますが、ナイロンのほうが距離はでそうです。
…で、いちばん注目してほしいのは、キャスト時と巻き上げ時のリールの向き。キャストは上リールで親指でサミングして…シンカー着水と同時にロッドの持ち手を緩めてやると、クルンとリールが下を向きます。そのまま左手でハンドルを巻く…。一連の動作に慣れてしまえば、じつに合理的なセッティングw これが… No.54を選んだ理由なのです!
和製オールドとはいえ、結構実用に耐えうる仕様になったと思うんですが、どうでしょう。ロングロッドにライン放出性能の素性が良いリールの組み合わせで、用途はウキ釣りやぶっ込み釣りなど… 小物のエサ釣り全般に使えるんじゃないかと…。Ebisu竿のバットパワーは結構あるので、50cmくらいのニゴイとかもOKだと思います。ロッドとリールあわせても、4000円しない安物なので、遠慮せずに使えますしねw