2020年12月10日
上級グレードのベイルレス ~ Roddy Gyro 200 ~
Roddy Gyro 200
Bail free Spinning reel
今回も稲村リールです。
ロディージャイロ200。英国ハーディー社の " フルベイル " のパテントが失効した1954年以降、世界の釣具市場に出回ったスピニングリールのほとんどがフルベイルを採用しました。1965年…稲村製作所は " ベイルレス " スピニングリールを市場投入しました。
稲村独自設計の " 可倒式ジャイロピン " には、" 米国と各国で特許出願中 " とプリントされています。
リールフットにも特許出願中と書かれています。その後パテント化されたのかどうかは不明です…。
このリールは日本国内と欧米に輸出するグローバル戦略モデルで、200, 225, 250の3サイズがラインナップされていました。稲村リールのお約束…グローバルモデルはヘドンにもOEM供給し、ヘドン版は " Spin-O-Matic "シリーズとして販売されました。
ベイルレススピニングは、ピックアップピン、もしくはピックアップローラーがローターカップに固定されたタイプが一般的でしたが、Roddy Gyroは、" 可倒式 ピックアップピン " を採用しました。キャスト時に人差し指にラインを掛けて、その人差し指でピックアップピンを押し下げるとキャストポジションになります。キャスト後はハンドルを回すとピンがオートリターンしてラインを拾って巻きあげられます。(マニュアルリターンも可能です)この画期的なイージーオペレーションリールが1960年代の日本で製造販売されていたことが驚きです。それに加えて精密堅牢…。数多い稲村リールの中でも伝説の名機と呼ばれる所以です。
ボディー右側のネジを外すと中にはピックアップピン(稲村的にはジャイロピン)のスペアが収納されています。
ダークグレーボディーにゴールドのパーツを各部にあしらった、なかなかカッコイイリールです。この個体は北米販売モデルです。
Roddy Gyroシリーズは北米では$29.99の価格で販売されました。前回紹介した普及モデルRoddy 810Aが$9.99ですから、Gyroは上位モデルの位置づけですね。日本では4000円前後の価格で販売されました。1965年当時の公務員の初任給が24000円といわれた時代ですから、結構良い値段のリールだったと思います。
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