2022年10月01日
釣りキチ三平を再現#18 〜DAIWA 7125HC〜
"釣りキチ三平を再現"をタイトルにしたブログ記事は約7年ぶりになります。何年経っても三平愛は変わらずですw じつに久しぶりに三平タックルを追加しました。
DAIWA 7125HC
釣りキチ三平・第11章カナダのサーモン・ダービー編で使われた…とされるダイワのロッドです。全長8フィート。ポリエステル系ブランクのPG(Polyester Gold)モデルです。ダイワのポリエステル系グラスロッドは、1979年に販売開始とされています。PG(Polyester Gold)とPS(Polyester Silver)の2グレードの設定があって、PGが上位グレードになります。
さて、このロッドがなぜ釣りキチ三平タックルなのかというと…
ソースは、2020年開催の釣りフェスティバル(旧フィッシングショー)の日本釣振興会ブース「釣りキチ三平コレクション展・僕らと釣りと三平と」で展示されていたロッドです。これが今回ブログで取り上げることになった発端です。
展示品は北海道恵庭市のギャラリー三平館長・岡部氏所蔵のもので、矢口高雄先生より寄贈されたものだそうです。矢口先生が釣りキチ三平の作中で描くタックルは、実物を入手し写実的に作画されていたことは有名です。それらの作画元になった実物(タックル)の多くがギャラリー三平に寄贈されています。
その展示品とおなじロッドをボクも入手したわけです。
釣りフェスの展示と同じく、DAIWA 7125HCにDAIWA 275 Ocean Reelを取り付けてみました。8フィートという全長がボートロッドとして扱いやすそうで、作中の三平君の体格とのバランスも良さそうです。ちなみに作中のロッドは9フィートと解説されていました。
でも、いくつか気になることが…。
7125HCは、カナダダイワのムーチングロッド4790-10 1/2とはグリップデザインが異なります。ムーチングロッドというより、トローリングロッドのようなグリップ形状です。不等長2ピースなところも作中のロッドとはちがいます。
実際に4790-10 1/2(日本国内版)と並べてみると、グリップバランスはここまでちがいます。リールシートのスクリューロックの上下もちがいますね。
そして、7125HCはブランク特性がムーチングロッドとは思えないほどパワーがあります。サーモンのムーチングフィッシングで使うリグのシンカーは重くても8oz(60号)程度です。7125HCは8ozシンカーをぶら下げたくらいでは、ティップもそれほど曲がりませんw やはりブランク特性はトローリングロッド…。別のいい方をすれば、4790-10 1/2は英国風アクション。7125HCは米国風アクション…といったところでしょうか。
釣りキチ三平作中で描かれたロッドのブランク特性は、どう考えても 4790-10 1/2 なんですけどね〜(謎) 7125HC…これは本当に三平ムーチングロッドなんだろうか…?と首を傾げてしまいますw
KCコミックスのカバーイラストと見比べてみると、7125HCのブランクカラーやラッピングはたしかに似ていますが…なにかちがう…。
作中のロッドの形状はどうみても4790-10 1/2で、7125HCはカラーは似ているけど…むむむ…これはまた謎が深まってしまいました…w(汗
1977年8月。矢口高雄先生は取材を兼ねてBCサーモンダービーに参加されました。現地取材で実際にサーモンタックルを使い、写真撮影やスケッチも数多くされたのだと思います。
画像は谷口先生がBCサーモンダービーに参加されたときの写真
[講談社ポケット百科シリーズ3 釣りキチ三平がおしえる新釣り入門]
画像のロッドはカナダダイワ 4790-10 1/2。釣りキチ三平の釣れづれの記・青春奮闘編(講談社)によると、"キャンベルリバー近くのホテルで、スポンサーであるダイワより、各自に一本ずつムーチングロッドが手渡された" との記述があります。資料として現物を日本に持ち帰ったのかは不明ですが、少なくとも漫画連載は先生ご本人や複数人のアシスタントが共有するための作画資料が必要です。そのために現物を日本に持ち帰ったと考えるのが自然です。
DAIWA 4790-10 1/2(国内版)、7125HC、さらにはムーチングリール275も、釣りキチ三平サーモンダービー編連載終了後の1979年に日本国内で販売されたことからも、連載中、矢口先生はカナダから持ち帰った現物をもとに作画していったと考えられます。
では、今回のDAIWA 7125HCは何かというと…。作品連載全編終了の1983年以降、釣りキチ三平はスペシャル版や文庫版、コンビニコミックス版など、新調版が何度も発行されました。そしてその度に矢口先生は表紙絵を描き起こされていました。今回の7125HCはそれらの資料のひとつだったのではないか…? ダイワPGシリーズは、旧ダイワマーク(太陽マーク)のプリントが無い1979年販売(と思われる)のロッドです。色や質感を参考にするための作画資料として矢口プロダクションの備品としていた1本なのではないかと思うのです…。
コンビニコミックス・シロギスの涙編の表紙絵に描かれた投げ竿(ジェットスポーツ)が連載中とはモデルが異なるというアレと同じですね。
2014/11/09
まぁ何にしても7125HCは、矢口先生が釣りキチ三平のために所有されていたロッドであることには、ちがい無いので深掘りはこのくらいにして、同モデルを入手できたことを素直に喜びたいと思います。
ところで、冒頭画像から意味深な(?)真鴨のデコイがいっしょに写っています…。
じつはコレ、山上湖の舞姫編で描かれた三平くんのタックルをイメージしていますw
ワタクシ、山上湖のデカバルトのエピソードが大のお気に入りでして、今回のムーチングタックルは(キングサーモンより)デカバルトのアヒル大作戦のほうがしっくりくるのですw
釣りキチ三平を再現シリーズ…。今後もつづく…かもしれませんw
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