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2014年10月01日

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

つい先日のこと…。スプリットバンブーロッドを(それも安価に)手に入れることができまして…。

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

ブツはこれです。全長約10フィート3ピースのスピニンググリップのへんちくりんなロッド。ガイドは金属製で、ティップセクションのみスネークガイド…という謎仕様。何に使うものなのかは不明です…。

どこぞの無名メーカー製かと思いきや…よ〜く見てみると…

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

あ! 見覚えのあるデカール文字が…。"Ebisu"
これは我が家にある謎のフライロッドと同じ文字です。エビスフィッシング製…ではなく、Ebisuという名のスピニングロッドのようです。スピニングロッドにしては全長は10フィートもあって、まるでフライロッドのようなパラボリックアクションです…。

戦後1950年代の日本では、木工家具職人などが輸出用のバンブーロッドを作っていたそうです。そんな中のひとつだったのかもしれませんね。

せっかく手に入れたものだから、このロッドに組み合わせるリールも欲しくなります。ロッドは日本製であるわけだから…できれば日本製で…。ダイワやオリムピックのオールドでいうと…ドラムであるとか、横転式とか…う〜ん、これらはEbisuロッドより少し新しい年代なんじゃないのかな…?

あ! ダイレクトリールはどうだろう。これぞメイドインジャパン!なイメージのやつ…。…と、いろいろ考えて…決めたのがコレ

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

クロシオリール No.54 (KUROSIO No.54)

静岡県沼津市の東洋精機というメーカーが1950年代から製造していたもので(←年代はバッチリ)4タイプ x 2 の全8機種。 No.50、No.52、No.54、No.55の型があり、それぞれにスプール幅のワイドとナローが設定されていました。その他に70-Dというモデルもあったとのこと…。(今はどれも廃盤になっています)

そ〜いえば昔、沼津の釣具屋にはフツーに置いてあったし、沼津の地元ダンゴ釣りのオッチャンたちも、みんな使っていたのを憶えています。

基本的な構造はダイレクト両軸リールで、アンチリバースON/OFF、クリックON/OFF機能が備わっています。各モデルはサイズの他に少しずつ仕様が異なります。

No.50 = ギア比1:1
シングルアクション(ハンドルとスプールが同方向に回転するフライリールと同じ)

No.52 = ギア比2:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが逆方向に回転する、いわゆるフツーの両軸)

No.54 = ギア比3:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが同方向に回転)

No.55 = ギア比3:1
マルチプライング(ハンドルとスプールが同方向に回転)


和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

…で、ぼくが選んだのはNo.54(ワイドスプール)。
スリーズ中、最速のギア比を誇るモデルです。(…ていっても 3 : 1 だけどw)No.54はハンドルの巻きとスプールが同じ方向に回転する、日本製では珍しいタイプで、大物用フライリールに採用されるマルチプライング構造です。なので使い勝手はフライリールのそれと同じ。

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜 和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

思ったとおり同年代のロッドとの(見た目の)マッチングはすごく良いです!ぼくはリールを下向き、左手巻きで使うことにしました。本来右手巻きのリールで、アンチリバースストッパーも右手巻き用なのですが、ストッパーを使うことは無いので、左手巻きのダイレクトリールとしてセットしました。

じつは、このセッティングにはワケがあって…

はい!恒例のキャスティング動画です!本来このリールはキャスティング用ではないのですが…投げてみました。かなり本気で…w



シンカーは4号(15g)のナスオモリ。だいたい1/2ozですね。パラボリックなロングロッドのおかげで、思っていたほどキャストは難しくはないです。動画は初めての試投なので動作がぎこちないのは否めませんが…w

キャスト時のハンドルの不安定な逆転がおわかりになるでしょうか。微妙なサミングテンションがハンドル回転にでています。動画は太いPEラインを使っていますが、ナイロンのほうが距離はでそうです。

…で、いちばん注目してほしいのは、キャスト時と巻き上げ時のリールの向き。キャストは上リールで親指でサミングして…シンカー着水と同時にロッドの持ち手を緩めてやると、クルンとリールが下を向きます。そのまま左手でハンドルを巻く…。一連の動作に慣れてしまえば、じつに合理的なセッティングw これが… No.54を選んだ理由なのです!


和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜 和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

和製オールドとはいえ、結構実用に耐えうる仕様になったと思うんですが、どうでしょう。ロングロッドにライン放出性能の素性が良いリールの組み合わせで、用途はウキ釣りやぶっ込み釣りなど… 小物のエサ釣り全般に使えるんじゃないかと…。Ebisu竿のバットパワーは結構あるので、50cmくらいのニゴイとかもOKだと思います。ロッドとリールあわせても、4000円しない安物なので、遠慮せずに使えますしねw 

和製オールドの使い道 〜Ebisu 六角竿 / KUROSIO No.54〜

1950年代のメイドインジャパン・フィッシングタックル。結構気に入りました。気になる方は是非! (…だれも興味を持たないジャンルだろ〜けどw)


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この記事へのコメント
こっ、これはレア!
スチールヘッドのドリフトフィッシングとかコースフィッシングに使ったら、最高にクールな竿ですね。
米国のフィリプソンあたりでも、似たような竿を作っていたようですよ。
Posted by なみ平 at 2014年10月01日 17:31
ふぃっしゅさんこんばんわ(^^)/
またまたすごいの出してきましたねぇ。
エビスの六角竿、状態も懐かしいアクションも良い感じ、デモ古すぎて知識が無いです。
50cmのニゴイにも耐えられるとは・・・侮れない(゜Д゜)
くろしおの実働しているとこと内部構造始めて見ました。
ハンドル軸がセンターなので、シングルアクションやと思ってましたが、まさかの2段減速やったとは・・・だから下向き左巻なんですね。
けど、糸巻き方向を逆にすれば、上向き右巻きも出来るのでは?
それじゃ、サミングが難しいか・・・(-_-)
日本製で、時代も異なりますが、アニメ版スターリングのタックルは、これと言う事にしときましょか(^o^)/
Posted by しん at 2014年10月01日 18:15
だ・か・ら・・・ カンバンに偽りアリって ばぁ~!!

しかも 予告と違って上リールで投げてるし・・・



しかも かなり飛ばしやがる!!ニクイぜ!!


ちなみにレベリングは 下リール巻きで難しくないですか?
Posted by ぐりふぃんMB at 2014年10月01日 23:00
 20年位前にフライリールでジャパネスクっていう木製リールが
あったんですけど、Abelの金黒買おうと思ってSANSUIに行ったら
売り切れで半年待ちって言われて、ジャパネスク買おうと思ったんですが
止めて、Altmore?買ったんです。
ボンさんがオールドタックルネタだったら、私はフライネタで。
今度、バッテリー買わないでシューティングヘッド買います。
Posted by 誠 at 2014年10月02日 03:13
>なみ平サン
やっぱレアですかね!?
トロッティングとかドリフトの釣りに使うものなんですかね。
たしかにロングロッドはその手の釣りに使いやすそうです。
フィリプソン! 調べてみます〜 情報ありがとうございます!

>しんサン
ぼくも古すぎてわからないんですよ〜^^;
探していたわけでもなく、偶然手に入れてしまったロッドなので、
詳細はさっぱりです。No.54は一見シングルアクションに見えますけど、
スプールが高速で回るんで、ヒトによってはちょっと気持ちワルく感じるかも…
 ぼくは好きですけどw 英国人がマルチプライを好まないのは、
このへんの感覚からなんでしょうかね〜
ちなみに逆巻きの上リールは沼津竿で使うときは、そのほうが良かったりします。
中通し竿なので、ラインの入口に対して角度をあまり付けずに、
ラインを通すことができますから。

>ぐりサン
おお! 予告のことを突っ込まれるとは…^^;
じつは下リール投げには、致命的な欠点があることに気づいたんですよ。
ぼくが回転式スプールのリールを投げるときは、必ず回るスプールが視界に
入っていないと投げられないんです…。 クロシオの下投げはスプールが
見えないからうまく投げられないんです。動画でお気づきだとは思うんですけど、
メカニカルブレーキ無しのダイレクトリールは、終始スプールエッジに
指をあてていないと投げられませ〜ん>_<
こんどは磁石を仕込んでから下投げに挑戦してみますw
ちなみにバイキングなら下リール投げできますよ。

>誠サン
ええ〜えええ! ジャパネスクにしておけばよかったのにぃ〜
っていまさらですけどね。アルトモアってダイワじゃん!
まこっチャンのフライタイイングシリーズは見応えがあるから、
フライタックル編も楽しみにしてますね〜
Posted by FishboneFishbone at 2014年10月02日 21:44
あ、ぐりサン。下リールのレベリングは、ぼくはとくにやり難いってことはないですね〜
フライフィッシングのときも少なからずレベリングを意識して、
リールを巻くんで…やっぱ慣れの問題じゃないですかね。
Posted by FishboneFishbone at 2014年10月02日 21:51
楽しいコレクションですね。六角竿なんて、懐かしい限りです。 黒潮No.55ですがワイド、ナローともマルチプライでないタイプもありましたよ。私は中学~高校の頃、室戸のグレ釣りで55番スタンダード型をよく使っておりました。昭和40年代初頭の事です。その後、ABU1750や2600が登場し、精度が格段に良いため、上物釣り師はこぞってABU党に移っていった経緯があります。まだまだ、国産スピニングの精度が低かった時代のことです。当時の黒潮やABUは、今も大切に飾っております。
Posted by すたっく坊や at 2016年09月04日 15:23
すたっく坊やサン
No.55にもダイレクト版が存在したのですね。リアルタイムで使っておられた方のコメントはとても嬉しいです。貴重な情報をくださりありがとうございました!
Posted by FishboneFishbone at 2016年09月20日 19:53
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