Angler's Life　～浮かべ釣道～

"釣りキチ三平を再現" のタイトルでブログ更新をするのは久しぶりです。今回は画像中心の投稿です。



ついに発売されました！釣りキチ三平生誕50周年記念の特別版 "O池の滝太郎"
故矢口高雄先生の傑作！O池の滝太郎です！自分的には最高傑作だと思っています！出版は講談社…ではなくて山と渓谷社。なんでだろ？ 矢口先生の文庫版を出版していた関係なのかな？

まぁそんなことはどうでもよくて、この山渓50周年版は、オリジナルB5サイズ（少年誌サイズ）で製本されていて、画像データがクリーンアップされているらしく画質がとてもキレイです。漫画のリマスター版といったところでしょうか。


もう滝太郎編が好きすぎて…

どれくらい好きなのかというと、実在するO池まで遠征したくらい大好きなんですw





実在するO池。約3時間の登山をしなければたどり着くことのできない神秘の湖。

" きみ、池といったって、そんじょそこらの池とわけがちがうんだぜ "
" われわれの目的地であるO池は、面積にしておよそ三万六千平方メートルというから "



ぼくにとってO池の滝太郎は特別で、当然のことながらKC版、KCスペシャル版も持っています。山渓50周年版を読み進めていくと、KCやKCSPでは気付かなかった細かな部分が見えてくるんですよね。

山渓50周年版の巻末には "vs滝太郎 三平タックル&ルアー大解剖" という特集記事が掲載されていて、これまた興味深い内容でした。ひとつだけ自分も知らなかったルアーの解説があって眼から鱗でした…w とても良い記事で参考になりました。

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さて、ワタクシのブログも "釣りキチ三平生誕50周年記念" ということで、今回は山渓50周年版コミックを補完する目的でネタを投入しようと思います。"vs滝太郎 三平タックル&ルアー大解剖" では実物入手ができなかった（であろう）ものがいくつかあり、代替品の画像が載せられていました。そのあたりを補完できればと思っています。また、山渓50周年版コミックの掲載写真はモノクロ画像だったので、ウチのブログではフルカラーで載せていきます。



それでは

O池の滝太郎編のストーリーに沿ってタックル画像を紹介してみようと思います。今回、タックルやルアーの解説は少なめです。とくにルアーは他所様のブログで詳しく解説されているので今回は割愛です。


一平じいちゃん、三平君がO池に持ち込んだタックルは伝統的な和竿（竹竿）です。画像の和竿は残念ながら "一平作" ではありません…w 代替品ですが、年代や仕様は作中イメージにちかいものを載せてみました。



毛鉤竿　十二尺五寸　四本継 *参考イメージの代替品
三平君が持ち込んだ竿は日本式毛バリ竿。作画の縮尺から推測すると、作中の竿は "第5章毛バリの神サマ" で描かれた9尺（2.7m）クラスだと思われます。握りの巻き糸が日本式毛バリ竿の特徴で、KC8巻のカバーイラストで描かれた竿に近いものをアップしてみました。代替品ですが、だいたいイメージに近いものになっていると思います。

三平君のO池での第一投は山人黒バリ。毛鉤山人のエピソード以来すっかり毛バリ釣りにハマってしまった三平君。沢筋（インレット）のポイントへ山人黒バリを投入、チョンチョン釣りで誘いだしたO池の初フィッシュは、30cm級の岩魚でした。


山女魚竿 十四尺 七本継 *参考イメージの代替品
一平じいちゃんは得意のミャク釣り。14尺 (4.5m) の山女魚竿。一平じいちゃんが普段使っている山女魚竿は、十二本だたみ、印籠継ぎ、三節ぞろい（ひと切りに節が三コそろっている）の山女魚竿でなければいけないのですが、今となっては、そのスペックの和竿は国宝級…。ぼくにはとても手が出せませんw

一平じいちゃんは湖畔にいたイサゴムシ（カゲロウ）をパシュッと素手で捕獲して、それを餌に立木脇のポイントに投入。キャッチした魚種はアメマスでした。東京から遠征してきた釣り研の大学生や、三平君も初めてみる魚種として描かれ、これはタキタロウなのか？なんなのか？ちょっとした騒ぎになり…。

一平じいちゃんはいたって冷静に…アメマスじゃよ…と。

そこへ山小屋に前泊していた女性アングラーも登場し、数匹のアメマスを見せて、タキタロウ疑惑はいったん収束。


実在するO池のアメマス。（遠征時に同行した友人が釣ったもの）O池では岩魚の他にヒメマスもルアーに果敢にアタックしてきます。

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女性アングラーがその場を去った直後、三平君は見たことの無いものをひろいます。


STORM LURE - ThinFin SUPER SHINER
釣りキチ三平連載当時ダイワが輸入販売していたルアーです。作中では "プラグ" と呼称されていました。

" なんだべ…小魚みてえなカッコしてる
バカにきれいな色をしてるが
三本イカリの釣りバリがついているところをみると
女の人のつけるブローチでもあるめえ… "

" このあたりは
さっきのおねえちゃんが立ってた場所だから "

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"三平はこの奇妙なしかけの釣りを見たのは
このときがはじめてだった"

"そしていつもの釣りキチの目が
するどくかがやきはじめていた"


DAIWA JET SPIN 5 1/2（1973年）
全長 1.8m
継数 ２本
仕舞寸法 106cm
自重 215g
錘負荷 3～12g
適合ライン 3～12lb


DAIWA Super Sport No.1（1974年）
ギヤ比 1:5.4
自重 230g
釣力 A方式4kg、B方式8kg
巻糸量 2号160m、3号110m、4号80m
ボールベアリング入数 1個

凄腕の女性アングラー白川由美が使っていたスピニングタックル。三平君（読者の自分もふくめ）が生まれて初めて見たルアーフィッシングタックルです。




白川由美のルアーフィッシング解説がはじまり、三平君（読者の自分もふくめ）にルアーの知識がどんどん詰め込まれていきます。


Woodstream OLD PAL - KOBBLER 1/4oz
釣りキチ三平連載当時、ダイワが輸入販売していたルアーです。ダイワでは "TWIST" のモデル名で販売。のちに金型が改修され刻印もTWISTに。白川由美が使用したKOBBLERは、ボディに斑点模様があるタイプで、金型改修後の後期型TWISTには、このカラーは設定されませんでした。

"これがルアーの中でも代表的なものでスプーンというの"
"スプーン…！？"
"あのアンミツなんかを食べるときのスプーンと同じよびかたけぇ"


Woodstream OLD PAL - KOBBLER 1/2oz
Woodstream OLD PAL - KOBBLER 1/4oz
REBEL - HUMP BACK DEEP RUNNER
DAIWA - ROBIN Long
MEYER - TONI
BRETTON 2

" ごらん、ひとくちにルアーといっても
こんなにあるんだから… "

白川由美のタックルボックスの中身。描かれたのはトレイ上段のみでした。今回は実物を使って作中画と比較再現してみました。タックルボックスは (山渓50周年版の解説によれば) Woodstream - OLD PAL - PF1050 とのことですが、作中のカット (コマ) によってはトレイが3段だったり…UMCOっぽく描かれていたり…お約束のカット(コマ)毎に作画がちがうという…w 型式不明ということで、今回はUMCOのトレイで写真を撮ってみました。


Woodstream OLD PAL - AUTO-CAST
(*画像は代替品のKAST MASTER)
MEYER TONI
MEYER MIRA
BRETTON 2

釣りキチ三平でお馴染みの挿絵イラストを比較再現してみました。カストマスターだと思っていたジグスプーンはOLD PAL AUTO-CASTというルアーです。山渓50周年版の解説ではじめて知った事実でしたw


STORM Lure HOT 'N TOT
Woodstream OLD PAL - KOBBLER 1/4oz
MEYER - MIRA
BRETTON 2
DAIWA - BALSA MINNOW

作中のページ左側に縦長に描かれたイラストを実物を使って比較再現してみました。

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そして、三平君は魚紳さんとの再会でタキタロウへアタックするためのタックルを託されます。


"ありゃっ！？さっきおねえちゃんがつかってたもんとは、だいぶちがう型だなや…"
"竿もヘンテコにまがってるし…"


DAIWA JET BAIT 5 1/2 （1973年）
(*画像は代替品のJET Cast)
全長 1.65m
継数 2本
仕舞寸法 98cm
自重 215g
錘負荷 7～18g
適合ライン 4～12lb


DAIWA MILLIONAIRE G-5 （1973年）
ギヤ比　1 : 3.5
自重　330g
釣力　A方式8kg、B方式16kg
巻糸量　3号300m、4号225m、5号180m
ボールベアリング入数　2個




実在するO池で三平君と同じヘンテコにまがったロッドで釣りを楽しむ図


O池の滝太郎編で描かれた（作中のキャラクターが使った）ロッドはすべてダイワ製です。初代ジェットシリーズが採用されていました。ベイトキャスティング、あるいはスピンキャスティングロッドの "ヘンテコにまがった" オフセットグリップが当時の読者には斬新に映ったものでした。


リールもダイワ製品で統一されていました。魚紳さんと三平君が使っていたのは MILLIONAIRE G-5。G-5は約4年の販売期間で前期・後期と区別される仕様がありました。左カップのクレストマーク（エンブレム）のデザインが2種類存在します。画像左が前期、右が後期になります。作中ではどっちなのかが特定しにくく、カットによっては前期のように見えたり、後期に見えることもあったり…。

まぁこれはどっちでも良いと思います。 設定をこじ付けるとすれば、魚紳さんがO池に持ち込んだG-5は前期・後期それぞれ1台ずつだった…ということにしておきましょうw


ところで、山渓50周年版には復刻されていない要素がありました。もしそれが復刻されていれば完全復刻以上のファンアイテムになっていたはずです。

それは週刊連載のトビラ絵。

週刊連載では1話毎にトビラ絵が描かれます。巻頭ページ掲載の作品はフルカラーのトビラ絵です。釣りキチ三平も連載中は、巻頭ページ掲載時はフルカラーのトビラ絵が描かれました。それらはのちにKC版のカバーイラストになったのですが、縮小印刷されたコミックスより、少年マガジンのオリジナルサイズのトビラ絵のほうが断然迫力があるんですよね〜それが見たかった…。

たしか…オークションサイトかフリマサイトか、どこかで見た記憶があるのですが、少年マガジンの古本が出品されていて、そこにはO池の滝太郎のトビラ絵がありました。三平君の金色のミリオネアG-5がフルカラーで描かれて、とてもカッコ良かった。それをオリジナルサイズで復刻してほしかった…。


画像はワタクシのG-5たちです…。あまりにも好きすぎて、気づいてみれば4台所有していましたw



三平君が使うベイトタックルは、O池の滝太郎連載終了後もジェットベイトが描かれました。釣犬ハチ公編では、ジェットベイトにABU Ambassadeur 5000Cが組み合わされました。今回出版された山渓50周年版のカバーイラストや、KCSPの謎の魚釣り編のカバーイラストもジェットベイト + 5000Cだったりします。なので画像にもさりげなく5000Cを含めてみました。


50年経っても色あせることの無い傑作釣り漫画 釣りキチ三平。今回のO池の滝太郎編に続いてイトウの原野編も復刻してくれたら嬉しいなぁ…。もしそれが叶ったら、またブログで取り上げようと思います。




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