2015年02月11日
釣りキチ三平を再現#12 〜イトウの原野編 ABU507〜
釣りキチ三平タックルシリーズ第12弾!
大人気エピソード "イトウの原野編" に登場したタックルの紹介です。これも有名すぎて何を今さら…的なものですが、外すわけにはいかないタックルですね。
ABU 507(1972 - 1983年)
クローズドフェイスリールとフィックスドスプールスピニングリールのハイブリッド版として登場した"クローズドフェイススピニングリール" というタイプに分類されるアンダーマウントリールです。(←ながっw)モデル名は3ケタの番号のみで表される、いわゆる500シリーズのひとつで507は最大サイズになります。
Abumaticの進化型ともいえるモデルで、実際Abumaticに採用された機能が500シリーズにも受け継がれ共通パーツが使われていました。そのひとつがオートシンクロドラグ。1970年発売のAbumatic280に採用されたのが最初で、おくれること2年… 506,507,508にも採用されました。
原作本編の初登場は魚紳さんの507。諸説あって、506といわれることもあるようですが、ロングハンドルが描かれていることからも507であると思われます。(※507は506より長いハンドル)
クローズドフェイススピニングは、現行モデルAbu Garcia 506mkIIが、英国を中心に欧州各国で売られていますが、日本での販売はありません。1044 Syncromaticが日本で販売された最終モデルだったと思います。
じつは日本でも500シリーズの愛好家は多く、僕もそのひとりでして…最初に使ったのがAbu Garcia 1044 Syncromatic…。3台持っていました。その後520や506を複数台所有して…現在手元にあるのは画像の3機種のみ。赤カップのABU 505、メインリールとして活躍したABU506、そしてABU507。
昔、芦ノ湖のトラウトにハマっていた時期がありまして、年券を購入してビッグトラウトをもとめて通いつづけていました…。芦ノ湖のトラウトは、ガイドが凍るほどの低気温下がベストシーズンで、(例外的に真夏に釣れることもありますが)ルアーキャスティングで釣るには解禁直後や禁漁間際のシーズンがメインになります。ガイドも凍てつく極寒の山上湖では、500シリーズほど頼れる存在は他にはありません。
スピニングリールだって同じじゃないか? と思うヒトもいるかもしれませんが、ちがうんです…。当時(僕の場合90年代)のスピニングリールには、500シリーズを超える使い勝手のものはありませんでした。こと芦ノ湖トラウトにかんしては、大好きなベイトキャスティングリールも500シリーズの前では出番無しでした。
モコモコの手袋をしたままピックアップピンをフリーに、キャスト体勢に。片手はポケットに突っ込んだままキャスティング。スピニングリールのキャスト毎にベイル起こす動作は必要ありません。たったひとつの動作が省略されるだけで、極寒の山上湖では、そのありがたみが痛い程わかると思いますw
そして、なんといってもライントラブルレス!大径スプールとピックアップピン構造のおかげて、糸よれやバックラッシュといったライントラブルはまずおきません。この手のリールはドラグの滑り出しは、スプールが逆転するのではなくローターが逆転します。スピニングリールでいえば、ハンドルを逆転させてラインを出すイメージですね。これがラインヨレを激減させているのです。さらに山上湖のトラウトルアーフィッシング、とくにレインボーはデッドスローでリトリーブすることが多く、ラインテンションがほとんど無い状態でのユル巻きがあたりまえで、500シリーズはユル巻きをしてもトラブルは無し。次のキャスティングへの支障も無しです。
…と、のっけからアツく語ってしまいましたが…(汗)つぎはABU 507に組み合わせるロッドについて…
三平ファンの間では、なんといっても谷地坊主のタックルが注目されていますよね。原作で描かれた、その形状から…Garcia Conolonシリーズであると推察できます。ターゲットが釧路湿原のイトウであることと、谷地坊主の特殊なキャスティング方法から、ダブルハンドのパワーのあるスピニングロッドであると思われます。
そこで選択したロッドは…
Garcia CONOLON B112-DL
☆☆☆☆☆Five Star 7' HEAVY ACTION , FAST TAPER
5/8 - 3/4OZ LURES 8-15LB LINE
7フィートのヘビーアクションロッドです。☆☆☆☆☆Five Starの高級感あふれるゴールドのパーツが谷地坊主っぽく無い気もしますが、そこは目を瞑り…w たまたま見つけた個体が、このグレードだったので、これは仕方ないということで…。
コノロンシリーズ独特のファストテーパーデザインで、ティップ部は他モデルと同じく柔らかく、軽いルアーから重いルアーまで幅広く対応します。バットセクションはヘビーアクションというだけあって、かなり強いです。当然のことながらダブルハンドグリップです。
ロッドグリップを脇にはさんで、リールのボディを手に包む握り方…。あの谷地坊主キャスティングもOKですw 形状的にはだいたいOKだと思うんですがど〜でしょう。。。
こちらは劇中登場のものとは関係ないですが参考までに…。シェイクスピアのロングロッドです。大型のトラウトや谷地坊主投げをするには、こちらのほうが使いやすかったりします。Garcia Conolonより新しい時代のものですが、クラシカルな金属リールシートが、ABU 507とよくマッチしています。
釣りキチ三平 イトウの原野編のタックルの紹介は今回で完結…かな。(竿酔さんの娘よし子さんのタックルが気になるところですが…)メジャーどころはだいたいおさえられたと思います。
釣りキチ三平を再現シリーズ、つづきます…。
カヤックフィッシング・ブログ集
大人気エピソード "イトウの原野編" に登場したタックルの紹介です。これも有名すぎて何を今さら…的なものですが、外すわけにはいかないタックルですね。
ABU 507(1972 - 1983年)
クローズドフェイスリールとフィックスドスプールスピニングリールのハイブリッド版として登場した"クローズドフェイススピニングリール" というタイプに分類されるアンダーマウントリールです。(←ながっw)モデル名は3ケタの番号のみで表される、いわゆる500シリーズのひとつで507は最大サイズになります。
Abumaticの進化型ともいえるモデルで、実際Abumaticに採用された機能が500シリーズにも受け継がれ共通パーツが使われていました。そのひとつがオートシンクロドラグ。1970年発売のAbumatic280に採用されたのが最初で、おくれること2年… 506,507,508にも採用されました。
原作本編の初登場は魚紳さんの507。諸説あって、506といわれることもあるようですが、ロングハンドルが描かれていることからも507であると思われます。(※507は506より長いハンドル)
クローズドフェイススピニングは、現行モデルAbu Garcia 506mkIIが、英国を中心に欧州各国で売られていますが、日本での販売はありません。1044 Syncromaticが日本で販売された最終モデルだったと思います。
じつは日本でも500シリーズの愛好家は多く、僕もそのひとりでして…最初に使ったのがAbu Garcia 1044 Syncromatic…。3台持っていました。その後520や506を複数台所有して…現在手元にあるのは画像の3機種のみ。赤カップのABU 505、メインリールとして活躍したABU506、そしてABU507。
昔、芦ノ湖のトラウトにハマっていた時期がありまして、年券を購入してビッグトラウトをもとめて通いつづけていました…。芦ノ湖のトラウトは、ガイドが凍るほどの低気温下がベストシーズンで、(例外的に真夏に釣れることもありますが)ルアーキャスティングで釣るには解禁直後や禁漁間際のシーズンがメインになります。ガイドも凍てつく極寒の山上湖では、500シリーズほど頼れる存在は他にはありません。
スピニングリールだって同じじゃないか? と思うヒトもいるかもしれませんが、ちがうんです…。当時(僕の場合90年代)のスピニングリールには、500シリーズを超える使い勝手のものはありませんでした。こと芦ノ湖トラウトにかんしては、大好きなベイトキャスティングリールも500シリーズの前では出番無しでした。
モコモコの手袋をしたままピックアップピンをフリーに、キャスト体勢に。片手はポケットに突っ込んだままキャスティング。スピニングリールのキャスト毎にベイル起こす動作は必要ありません。たったひとつの動作が省略されるだけで、極寒の山上湖では、そのありがたみが痛い程わかると思いますw
そして、なんといってもライントラブルレス!大径スプールとピックアップピン構造のおかげて、糸よれやバックラッシュといったライントラブルはまずおきません。この手のリールはドラグの滑り出しは、スプールが逆転するのではなくローターが逆転します。スピニングリールでいえば、ハンドルを逆転させてラインを出すイメージですね。これがラインヨレを激減させているのです。さらに山上湖のトラウトルアーフィッシング、とくにレインボーはデッドスローでリトリーブすることが多く、ラインテンションがほとんど無い状態でのユル巻きがあたりまえで、500シリーズはユル巻きをしてもトラブルは無し。次のキャスティングへの支障も無しです。
…と、のっけからアツく語ってしまいましたが…(汗)つぎはABU 507に組み合わせるロッドについて…
三平ファンの間では、なんといっても谷地坊主のタックルが注目されていますよね。原作で描かれた、その形状から…Garcia Conolonシリーズであると推察できます。ターゲットが釧路湿原のイトウであることと、谷地坊主の特殊なキャスティング方法から、ダブルハンドのパワーのあるスピニングロッドであると思われます。
そこで選択したロッドは…
Garcia CONOLON B112-DL
☆☆☆☆☆Five Star 7' HEAVY ACTION , FAST TAPER
5/8 - 3/4OZ LURES 8-15LB LINE
7フィートのヘビーアクションロッドです。☆☆☆☆☆Five Starの高級感あふれるゴールドのパーツが谷地坊主っぽく無い気もしますが、そこは目を瞑り…w たまたま見つけた個体が、このグレードだったので、これは仕方ないということで…。
コノロンシリーズ独特のファストテーパーデザインで、ティップ部は他モデルと同じく柔らかく、軽いルアーから重いルアーまで幅広く対応します。バットセクションはヘビーアクションというだけあって、かなり強いです。当然のことながらダブルハンドグリップです。
ロッドグリップを脇にはさんで、リールのボディを手に包む握り方…。あの谷地坊主キャスティングもOKですw 形状的にはだいたいOKだと思うんですがど〜でしょう。。。
こちらは劇中登場のものとは関係ないですが参考までに…。シェイクスピアのロングロッドです。大型のトラウトや谷地坊主投げをするには、こちらのほうが使いやすかったりします。Garcia Conolonより新しい時代のものですが、クラシカルな金属リールシートが、ABU 507とよくマッチしています。
釣りキチ三平 イトウの原野編のタックルの紹介は今回で完結…かな。(竿酔さんの娘よし子さんのタックルが気になるところですが…)メジャーどころはだいたいおさえられたと思います。
釣りキチ三平を再現シリーズ、つづきます…。
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タグ :ABU
釣りキチ三平を再現#18 〜DAIWA 7125HC〜
キャスティングリール普及への変遷 ~ Compac SIERRA IV ~
フィッシュオリムピックのお手本 ~ Shakespeare 1905 DEUCE ~
いにしえのマシンカットデザイン ~ OLYMPIC WAVE STAR No.50 ~
オートサミング機構 ~ OCEAN CITY Far-Kast ~
稲村のLeft Right ~ Roddy 825-RL ~
キャスティングリール普及への変遷 ~ Compac SIERRA IV ~
フィッシュオリムピックのお手本 ~ Shakespeare 1905 DEUCE ~
いにしえのマシンカットデザイン ~ OLYMPIC WAVE STAR No.50 ~
オートサミング機構 ~ OCEAN CITY Far-Kast ~
稲村のLeft Right ~ Roddy 825-RL ~
この記事へのコメント
三平タックルの鉄板アイテム登場デスね(^o^)
私も芦ノ湖には昔よく行きましたが、バス釣りなので極寒のトラウトはやった事ないデス(^^;)
ふぃっしゅさんは500番ふぇちやったんですね。
リリースボタンを押したときの音、良いですよねぇ~
私も506持ってます。
指の短い人には使いにくいのが難点ですかね。
谷地坊主キャスト、釣り少年のお約束!!
500番なんて持ってなかった頃、スピニングでやってました。
こりが、意外と投げやすいんですよね。
ところで、この谷地坊主キャスト、シャークキャスティングと同じく矢口先生のオリジナル技かと思ってましたが、昔海外の雑誌で本当にある事を知りました。
いつ頃、何の本だったか忘れてしまったのですが、ふぃっしゅさんご存じですか??
私も芦ノ湖には昔よく行きましたが、バス釣りなので極寒のトラウトはやった事ないデス(^^;)
ふぃっしゅさんは500番ふぇちやったんですね。
リリースボタンを押したときの音、良いですよねぇ~
私も506持ってます。
指の短い人には使いにくいのが難点ですかね。
谷地坊主キャスト、釣り少年のお約束!!
500番なんて持ってなかった頃、スピニングでやってました。
こりが、意外と投げやすいんですよね。
ところで、この谷地坊主キャスト、シャークキャスティングと同じく矢口先生のオリジナル技かと思ってましたが、昔海外の雑誌で本当にある事を知りました。
いつ頃、何の本だったか忘れてしまったのですが、ふぃっしゅさんご存じですか??
Posted by しん at 2015年02月12日 10:14
よしこさんのリール・・・どっかで見た事あるんですが思い出せないデス。
カットによって、3タイプに見えるのも問題を難しくしていますね。
関係ない考察を・・・
肉屋の岩井さんのタックルは、初代ジェットキャスト(コルク)と2代目スピンキャスト(銀)と考えられます。
カットによって、3タイプに見えるのも問題を難しくしていますね。
関係ない考察を・・・
肉屋の岩井さんのタックルは、初代ジェットキャスト(コルク)と2代目スピンキャスト(銀)と考えられます。
Posted by しん at 2015年02月12日 10:25
ふぃっしゅさん、出番??
://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e153951616
かなり状態悪くて、お買い得感が無いと思いますが、激戦になるかもしれません。
://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e153951616
かなり状態悪くて、お買い得感が無いと思いますが、激戦になるかもしれません。
Posted by しん at 2015年02月14日 12:45
>しんサン
テッパンですね!507は(^^) しんサン、506お持ちでしたか。あのペコンッってのが気持ちいいんですよね〜 谷地坊主キャストですけど、矢口先生の別作品でも出てきますね。釣りバカたちだったかなぁ… 矢口先生が取材で釧路湿原に訪れたときに、現地アングラーのひとりが、谷地坊主投げをやって… 変わった握り方だな…みたいな話だったと思います。実在する投法であることは間違いないようですね。でも海外でそれをやっているヒトがいたというのは知りませんでした。
よし子さんのリールでお騒がせしてしまってスミマセン…。
肉屋の岩井サン…w 郵便配達員の長尾くんはジェットベイト+ミリオネアG-5ですね!w
そ…それは白川嬢の…(汗)
情報ありがとうございます。でもコンディションがびみょうですね。たまにでるシルバーの北米モデルをもう一個買って合体させる? ちょっと悩みますね〜
テッパンですね!507は(^^) しんサン、506お持ちでしたか。あのペコンッってのが気持ちいいんですよね〜 谷地坊主キャストですけど、矢口先生の別作品でも出てきますね。釣りバカたちだったかなぁ… 矢口先生が取材で釧路湿原に訪れたときに、現地アングラーのひとりが、谷地坊主投げをやって… 変わった握り方だな…みたいな話だったと思います。実在する投法であることは間違いないようですね。でも海外でそれをやっているヒトがいたというのは知りませんでした。
よし子さんのリールでお騒がせしてしまってスミマセン…。
肉屋の岩井サン…w 郵便配達員の長尾くんはジェットベイト+ミリオネアG-5ですね!w
そ…それは白川嬢の…(汗)
情報ありがとうございます。でもコンディションがびみょうですね。たまにでるシルバーの北米モデルをもう一個買って合体させる? ちょっと悩みますね〜
Posted by Fishbone at 2015年02月14日 19:02
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