Angler's Life　～浮かべ釣道～

Olympic Reel No.300 Stop

オリムピックリール300型ストップ。プレス加工のシンプルなシングルアクションリールです。原型は、1932年(昭和7年) オリムピック釣具創業者の植野善雄氏考案によるもので、" 犬印リール " として販売されたのがはじまりです。日本初の工業製品量産リールでした。当時の製造は川窪工業所が担っていました。

1935年(昭和10年)にオリムピック釣具の前身である " 植野リール製作所 " を設立。1936年(昭和11年)にフィッシュオリムピックリールとして販売が開始されました。輸入品のシェークスピア1905 Deuceからヒントを得て日本の庶民向けに開発されたそうです。

初期モデルにはTOKYO UENOの刻印が入っていました。その後、太平洋戦争に突入し、長い期間リール製造休止を強いられ、終戦直後から生産が再開されました。モデル後期の1950年代後半には、競合となるクロシオリール(東洋精機)や、ドラム(大和精工)といったモデルも日本の釣具市場を賑わせていました。

オリムピックリール300型は、およそ30年近くのロングセラー品として1964年まで販売されました。



画像の " オリムピックリール300型ストップ " はモデル後期のステンレス製。このリールがもっとも普及した1961年(昭和36年)〜1964年(昭和39年)製造のものです。五輪にトビウオをあしらったマークのプレス刻印は、職人による手作業で金型が彫られました。クリックオンオフ機能、アンチリバースオンオフ機能を装備。オリムピックではアンチリバースを " ストップ " と表現していて、モデル名にもストップが付けられています。ちなみにアンチリバース無しのモデルは " 普及型 " といいます。



スプールシャフトの外側にピラーが組まれているのがオリムピックリールの特徴です。おそらくライン乾燥用の対策だと思われます。主な用途は、船のハゼやキス釣り、波止のチヌ釣り、河川、湖沼の鯉釣りで、竿の全長より長い仕掛けを扱う釣りや引きの強い魚を掛けたときに重宝されたそうです。



それにしても…恐ろしくシンプルなパーツ構成ですw
国産最古の金属製量産リールであることに敬意を表したいですね。。